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日々の事  叱られて満足!?



 子供返りを起こしてすっかり甘えん坊になり、最近、ちょっと厳しく叱られたロック君ですが…

 どういうわけか、散歩途中の「甘え抱っこ」がなくなった。けど帰ってきたときや、朝の甘えたがり、遊びたがりは今までと変わってない。
 …が、散歩のときの「甘え抱っこ」は、奥さんの散歩のときも、僕の散歩のときもなくなった。夕方の奥さんとの散歩のときは、多いときには三回以上もねだったことがあるというから、それがすっかりなくなったのは驚きである。

 で、やはり考えるに、どうやらこの間の「オヤツ盗み食い、ガブリンちょ事件」が効いたらしい。凄い勢いで叱られた挙句、半日のキャリー独房の刑である。こんなに厳しく叱られたのは、ロックにとっては初めてだったかもしれない。
 が、どうやらこの叱られたことが、ロックにとって『満足』だったようなのである。であるがゆえに、「甘え抱っこ」がなくなったようなのだ。

 元イエローモンキーズのボーカル、吉井和哉の自伝エッセイを本屋で立ち読みしたら、吉井が盗みを止めた時の事が書いてあった。吉井は幼い頃に父親を亡くし、母子家庭で東京から静岡に越したという。
 そこで祖母と一緒に暮らすことになるが、親のいない寂しさや周囲とのギャップなどもあり小学生のうちからグレていったという。そしてその遊ぶ金ほしさに、祖母の財布から金を盗むようになった。

 幾度も祖母の財布から金を盗んだ吉井だったが、母親の財布からは盗もうとは思わなかったという。祖母の財布からは多いときで五千円以上も盗むようになり、まず祖母も判っていたはずだが、吉井には何も言わなかった。しかし母親から盗めば、厳しく叱られるのが予想できたので、母親からは盗まなかった。
 が、ついにある時、母親の財布から500円盗んだ。やはり吉井の母はすぐに見つけて、吉井を厳しく叱責した。それ以来、吉井はピッタリと盗みをやめたという。それについて吉井は、

「叱ってほしいという気持ちがどこかにあったと思う」

 と書いている。…いや、これだけの事を話すのに、大分、長い挿話だ。つまり子供は「叱られたい」ために、わざと「悪いこと」をするときがある。
 いや、ロックは実はよくやる。ちょっと放っとくと、わざと叱られるためにテーブルの上のティッシュなんかをクチャクチャと噛んだりする。決して食べたり、飲み込んだりはしない。こちらが「コラ! ロック」と発見して叱るのを待ってるのである。

 人間の子供の乳幼児期には、子供は自分の行動領域を拡大しようとしてあちこちに動き回る。しかしそれは自分を見守っている親(おもに母親)を中心にして、その周辺を動きまわるのである。
 それも自分が少し動き回ると親の方を振り返り、親が自分を注視しているのを確認するとまた歩きまわる。そういう風に、親が「自分の安全を見ていてくれているかどうか」を確認して、安心するのである。

 ロックは今日も、ティッシュをわざと咥えて、料理をしてる奥さんに見せにいって叱られてる。叱られるのが判ってて、そうしている。いや、叱られることで「自分を見てくれているか」を確認したいのだ。奥さんは「昔の不良か!」とか言っている。
 逆に言うと、「叱られたいとき」に叱ってくれない親には、子供も落胆せざるをえない。以前に書いた千原ジュニアは、他人に危害をくわえてもその親から叱られなかった。これは実は、酒鬼薔薇事件の少年A君も、少し近い環境にある。

 叱るときは、基本的に「本人のためにならないとき」である。例えば「できないとき」に叱る、というのは「本人のため」ではない。それは親が押し付けた価値観に基づく何かを子供が実現できなかった折に、親がその感情を堪えきれずに「怒る」のが「できないとき」の叱りである。
 よその犬に吠えても叱られないような犬は、実は不幸である。うちの近所ではよく吠えるのはミニチュアダックスやシーズーなんかの小型犬が多いが、本人たちは他の犬と戦ったことがないので、自分の力量を知らない。だからこそ吠えることができる。自分の非力さも知らずに大きな犬に吠えたりしたら、あっという間にやられてしまうだろう。

 「できないとき」に叱り、「よその子に吠えても」叱らない親は、その基準が『親に負担がかかるかどうか』になっている。トイレがちゃんと「できない」ので叱る(掃除をするのは親)が、よその子に吠えても叱らない(親には負担はない)。
 同じように「甘えたいときに甘えさせない」のは、『甘えさせるとクセになる』という理屈があるが、実のところ「自分が面倒だから」あるいは「自分が甘えさせてもらえなかったから」が、本当のところである。そこにあるのは親の側の事情であり、子の事を本当に考えてるわけではない。

 子は敏感にそういう一つ一つを感じ取り、自分を「本当に見てくれているか」を気にしている。そしてそれが充分な形でないと不満を持つが、それを直接親にぶつけることはできずに、不満は鬱積する。
 その鬱積したストレスが、また他者への攻撃衝動になるのかもしれない。とりあえず「甘え抱っこ」をねだらなくなったロックは、どうやら「叱られて満足」したみたいである。ロックは今日もドライブに満足げであった。 
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