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武道随感  薙刀都大会を見学する。



 朝、5時半に起きてロックの散歩を済ませ、6時20分に家を出る。向かうのは薙刀都大会の会場、東京武道館。これは天井の「タマネギ」やコンサートで有名な九段下の「日本武道館」とは違う、足立区の綾瀬にある「東京武道館」なのだ。

 しかし遠い。遠すぎる。到着したのは9時30分頃。八王子から綾瀬は、方向的には真逆みたいなものだ。しかし薙刀はどうも、大きな催しなどはここで開催することが多いらしい。大変である。しかし大変なだけの刺激と収穫はあった。
 
 一応、報告しておこう。うちの奥さんは型演武、初・二段の部で3位入賞。いや、こりゃ驚いた! 実は今まで、奥さんの型をあまりマジメに見たことがなかったのだ。しかし意外にやるじゃないか、ダテに普段イバッてない(バシッ)。
 しかし残念だったのは、僕が以前に「気迫が凄い」と書いたIさんたちのチームが、型演武、三段以上の部で初戦敗退したことだ。しかも実はIさんが、今まで失敗するのを見たことがない、相手の薙刀を受払い損ねるというミスを犯してのことである。

 その部の優勝チームは、若い二人組みだった。確かに綺麗で気勢も充分だったけど、僕はIさんたちの演武がそれにひけをとるものとは思ってない(ひいき目じゃなく)。確かに若いチームの演武には速さと鋭さがあったが、壮年を超えたIさんたちの演武には気迫と柔らかさが同居している凄みがある。そこには無駄な力みを捨てた、よどみのない動きがあるのだ。
 しかしIさんほどの人でも、試合に臨んで緊張したり、焦りによって本来の「型」の意味から外れたりすることがあるのかと感慨をひとしおにした。「型」は手順を追うのではなく、来たものに応じる、というのが基本だからだ。それでも僕がIさんたちの演武を、いまだ模範としていることには変わりがない。
 
 また普段、僕が目にすることのない男子の防具試合というのも見た。そして思ったのは、「薙刀でも男が扱うと荒っぽくなるなあ…」という点である。
 女性は体も小さく腕力も弱いので、薙刀を全身で使い、相手を「斬る」。しかしなまじ男は力があるので「腕でふるい」、相手を「叩く」傾向が出るのだ。特にそれは、剣道出身者と一目で判る人数名に顕著に出ていた。

 恐らく剣道でも「斬る」ことを意識している人はそうではないだろうが、どうしても薙刀を身体から離し、小さな腕の動きで「弾くように」ポンと当てて「キェーィッ」と気勢をあげる選手が数名いた。
 しかし感心したのは、恐らく剣道なら一本入ってもおかしくないその打突を、薙刀の審判は「斬れてない」ものとして不十分と見なす点にある。逆に力は入れてないが全身の動きを伴う、スパンとした感じの斬りを一本に取るのが顕著だった。

 だがそれ以上に感心しなかったのは、「頭を傾げて面を避ける」動作である。確かにそうすれば、相手の面が綺麗に決まらないから一本にはならないかもしれない。しかしその外れた切っ先は、よくて袈裟切り、悪くて頚動脈を一刀両断である。こんなルール上の勝ちにのみ意味がある動きは、「武道的に」は全く意味がない。
 これは実は薙刀選手も数名やっていたことなので、防具試合に対する偏重それ自体の悪弊かと思われる。例えば脛と面が相打ちになり、脛が一本取るような場面が多く見られたが、真剣で考えれば片方は脛下がなくなるだけ。しかし片方は面を割られているのである。どちらが致命傷かは言うまでもない。

 防具による競技的な試合には注意が必要だ。本来の意味を見失っては、武道の本分を忘れてしまう。そんな事を考えていたら、閉会式のときに副会長とか紹介されたご婦人が総感として言った。
「薙刀は後ろの手が大事です。前の手で振るのではりません。特に男性のなかには、剣道のように短く薙刀をもって振ってる人が何人かいました。それに薙刀では体当たりもありません。それは薙刀から外れています。取り組む人は、よく考えるように」

 いや、ズバリと言ったものだ、凄いこの人。と、ひそかに感心した。帰り際、駅までの道を歩いてると、その髪を少し赤く染めたご婦人がシャカシャカと歩いている。隣で奥さんが、「あ、『先生』よ」と声をあげる。
 …え、あの人があの『先生』? おん年78歳の? ウソだろ。噂どおりの闊達な歩きである。素早い足取りで、どんどんと先へ進んでいく。と、目の前の歩行者信号が点滅する。すると『先生』やおら猛ダッシュ!

 …マジかい! 元気よすぎ。ちんたら歩いて信号待ちする若者を尻目に、先生は横断歩道を走って渡り、何事もなかったかのように歩いていく。
 『先生』は月に一度、金曜日の昼間の稽古にだけ姿を現すそうである。見たいなあ~、教わりたいなあ。有給とって休んじゃおうかなあ。

 なにはともあれ刺激の多い一日だった。学んだことが多くて書ききれない。それはいずれ徐々に。ちなみにロック君は、今日は12時間近くお留守番。いつもより長めに散歩をねだったのだった。  
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