ずっと考えていることがある。
人間ってなんだ?ってこと。
ある朝、目覚めた時、色眼鏡ってことを思い出したんだ。
例えば、赤色の透明のシートを目の前に持ってくる。
そしたら、風景全体が赤色に見える。
その赤色のシートをな、人に当てはめてみたんだ。
例えば、自分が想像するお母さんって人を考えてみる。
お母さんはこういうことをする人ってなんとなく思い浮かべられると思う。
でも、自分はその想像という名のシートを通して、人を見る。
もし、そこに矛盾があったら、人はどうすると思う?
おそらく、怒ると思うし、訳が分からないと混乱するかもしれないし、遠ざけたくなると思う。
もっと具体的なことを挙げれば、警察官が人を銃で殺していたらどう思う?
やっぱり、混乱すると思うし、困惑すると思うし、道理がなっていないと憤慨すると思う。
私たちはさ、知らず知らずのうちに、こういう人はこうなんだってことを頭の中で想像して、それが当てはまらなかったとき、問題が起こるんだ。
ぶつかり合ったり、ケンカしたり、恨んでみたり、憎んでみたり。
イメージ通りじゃない!って。
じゃあどうすれば、問題が起こる前に問題に気づけるのか考えたい。
思ったことに対しての根拠を論理立てて考える必要があるんだ。
自分の当たり前が当たり前じゃないってことを常に意識する必要がある。
東大を出たから、人殺しをしない?東大を出たから、人に教える技術を持っている?東大を出たからニートにはならない?
そういう風に考えると、過去を振り返ったとき、明らかにこれらが虚言だと気づける。
○○をしたから××っていうのは、やっぱりそこにイコール関係がないと成立しないんだよな。
そのことを意識していれば、きっといろんなことに気付けると思うんだ。
昔、中学生に勉強を教える機会があって、そこに、無口で靴が結構ボロボロで、一人で勉強している女の子がいたんだ。
こっちがいくら話しかけても、全然話さない。
最初は、ん??って思ってた。
はい?ってさえ思ってた。
怒りすら沸いたんだけど、その子に私がここで教えていても大丈夫?って聞くと、頷いたんだよな。なんで言葉にしないんだろう?って考えていたんだ。
その日はそれで終了だったんだけど、考えてみれば、おかしな話だよな。
くっそ、大学生のくせに自分は何にもしてやれなかったって思った。
どうして声が出せなかったのか。どうして言葉にできなかったのか。どうして靴がぼろぼろだったんだ。って考えるとな、多分、辛い目にあっているんだと思う。それが学校なのか家庭なのかは分からないけど、それだけは確かだ。
靴がぼろぼろっておかしくね?気付けば良かったんだよ。なんでだ?ってもっと考えてあげられれば良かったなって思った。
家庭が貧乏だったからかもしれない。両親と昨日ケンカしたのかもしれない。
少し声を出した時、声ががらがらだったんだ。なんで?って考えると分かるよな。泣いた夜があったんだよ。泣かされたことがあったんだよ。嫌なことがあったからそうなったんだよ。ってちょっと自分にむかついた。
後で、分かったんだよ。その時はそんなこと考えられなかった。
ごめんなって思った。助けてやれんくてって思った。
今なら何が正しいか多分分かる。
人より感受性が高いはずやのに、全然やなって思った。
自分が声を出せるから、相手も声を出せると思っている。
自分には足があるから、相手も歩けるとどこかで思っている。
自分には○○があるから、大丈夫だと思っている自分がいる。
大丈夫なんか全然思わないし、むしろ、暗闇の中でもがいているのが現状なんだ。
兄ちゃんが言ったんだ。
俺もどうして良いか分からんけど、ただやるしかないからやるねんって。
やらないと死んでしまうからやるねんって。
死ぬか?そんなことくらいでって思うこともあるけど、死ぬっていうのは続きがないってことなんやろうなって思う。
過去もなく、未来もない。ただ今があるだけだ。
仏教の教えでは、前後際断っていうらしい。
なるほどな。バンプが今を歌うって意味が分かる。
昨日でもなく、一昨日でもなく、過去でもなく、明日でもなく、明後日でもなく、未来でもない。
今を歌いたいっていつもそれだけを真剣に観ているんだなって思うんだ。
誰にしても、今しか現実はなくて、その今を一生懸命にやるしかないんだよな。
過去に戻れるとしたらどうする?って聞かれたら、私は胸張って、今を全力で生きてきたから、戻っても同じことをするだろうって答えるようにしたい。
間違った道でも、そうだって思ったんだから、そうしたんだし、そこにあの時、こうしていれば、ああしていればは通用しないんだよな。
逃げ道作って、できなかったら言い訳して、逃げて、虚しさだけが残って、言い訳だけが残る。
そいつが今を壊す。
今を掴みたくて必死で今を感じたくて、探し求める。
それしかできない。
それが、私が見ている世界なんです。
自分だけの世界じゃ、限界があるから、他の人の世界ものぞきたい。
一人称から観た世界。
二人称から観た世界。
三人称から観た世界。
全部同じ世界なのに、人によって見方が違うのだから、お互いを補い合う人間でありたいと思う。
親分でもなく、子分でもなく、対等に。
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