私には兄がいる。
昔から変な人だなと思っていた。
でも、本当に彼のことがこわいと思ったのは、小学校のときだと思う。
私の内部を言い当てられたときは、こいつ、やるな!なんてことを思った。
どんどん年が離れていき、だんだんとお互いの心が分からなくなっていった。
でも、あることを思い出す。
サイコロの目。
消しゴムに数字を書いた。そしたら、兄ちゃんが当てるんだよ。全部。マジで。それがこわかった。
しかも、勉強の成績もかなり上位で、それもこわかった。
お母さんの育て方がきつかったって兄は言ってたけど、私はお母さんに甘く育てられていたから、後で苦労するハメにはなった。
ただでも、欲しいものは何が何でも手に入れるし、テストで良い点を取ったら、絶対買ってもらうという約束をして、彼はメキメキと欲しいものを手に入れて行った。
それで、こわいのが、まだある。
兄に喧嘩を売って行った人、みんな消えているって兄が言ってた。
そろばんも辞めて行った人がいるって。
兄ちゃんのシャーペンを盗んだやつとか、カッターナイフで自転車のカバーを切ったやつとか。
それを考えると、ちょっとこわい。
それで、私にもどうやらそういうものがあるらしく、高校時代、私にたてついて来た人が結局、学校を辞めて行った。その後は不明。さらに、社会人になって、私の悪口とか言った人、ことごとく辞めて行った。
それがちょっとこわい。
それで、とどめは、うちの父親。虐待まがいのことをある意味でやってたから、結局、認知症になっていった。
私が良かれと思ってやったことも、決めつけて物事を観る癖があったから、悪態ついてた。
っで、私というはけ口がなくなって、結局、漢字の勉強もしなくなって、自滅した。
その話を兄にすると、もし、私らがお互いに憎しみ合ったら、おそらく、相打ちになるんだろうなって話をした。
持ちつ持たれつってやつだなあって常々思う。
母親が亡くなって以来、その悲しみのはけ口は私で、9年かかったんだんだよな。父親から離れるまで。
だから、後は兄ちゃんに全部任せる。
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